認知症の4割が予防できる可能性 難聴など改善で
東海大など
東海大は、難聴や運動不足など計14のリスク因子をなくすことで国内の認知症の約4割を予防できる可能性があるとする研究結果を公表した。2024年に施行された認知症基本法や、今後の認知症施策の具体化に向けた科学的根拠として活用されることが期待されるとしている。
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研究は、東海大医学部の和佐野浩一郎教授やデンマーク・コペンハーゲン大認知症センターのカスパー・ヨーゲンセン上席研究員の国際共同研究グループによるもの。科学的根拠に基づき特定された、▽教育歴の低さ▽難聴▽高LDLコレステロール血症▽うつ▽外傷性脳損傷▽運動不足▽喫煙▽糖尿病▽高血圧▽肥満▽過剰な飲酒▽社会的孤立▽大気汚染への曝露▽視力低下-の計14の認知症危険因子を対象に解析を行った。
これらの因子について、国民健康・栄養調査や政府統計、疫学研究、環境データなど信頼性の高い国内データを用いて有病率(該当者の割合)を推定したところ、最も影響が大きいリスク因子は難聴(6.7%)で、次いで運動不足(6.0%)、高LDLコレステロール(4.5%)などだった。
また、日本での認知症予防の潜在的規模を定量的に評価すると、難聴や運動不足などを含む14のリスク因子を全て取り除いた場合、国内の認知症の38.9%が予防可能であることが示された。
研究グループは、リスク因子を完全になさなくても、現実的な範囲で減らした場合に認知症がどの程度減少するかも推定。一律に10%低減すれば約20.8万人、20%低減した場合は約40.8万人の認知症を将来的に予防できる可能性があることも分かった。
研究グループでは、「特に難聴や運動不足など適切な対策によって改善可能な要因が認知症予防に大きく寄与することが明らかになった」としている。
厚生労働省の推計によると、2022年時点で65歳以上の約12.3%が認知症、約15.5%が軽度認知障害(MCI)を発症。50年には認知症の人が約587万人(高齢者の15.1%)、MCIの人が約631万人(16.2%)に達すると予測されている。
近年では、アミロイドβを標的とした抗体医薬など新たな治療法が登場しているが、その効果や高額な医療費、適応条件の厳しさなどから、実臨床での普及には課題が残る。このため、治療だけでなく、発症そのものを遅らせたり、防いだりする予防の重要性が増している。
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